ワクチン接種

予防接種について

予防接種には、公費(無料または助成あり)で受けられる「定期接種」と自費で受けられる「任意接種」があります。

定期接種(公費助成あり)ワクチン一覧

予防接種には、公費(無料または助成あり)で受けられる「定期接種」と自費で受けられる「任意接種」があります。

ワクチン名 備考 金額(自費の場合)
肺炎球菌(ニューモバックス) 65歳以上でさいたま市在住の方が公費対象となります。 7,900円/回
インフルエンザ 65歳以上でさいたま市在住の方が公費対象となります。 3,960円/回

※公費対象は市町村によって金額が異なる場合がございます。詳しくは各市町村のお知らせをご確認ください。

任意接種(公費助成なし)ワクチン一覧
ワクチン名 金額(自費の場合)
麻しん(はしか)単独 6,300円/回
風しん(三日はしか)単独 6,300円/回
MRワクチン(麻しん・風しん混合) 9,200円/回
おたふく(ムンプス) 6,500円/回
水痘(水ぼうそう) 8,300円/回
水痘(帯状疱疹) 8,300円/回
帯状疱疹(シングリックス) 22,000円/回
日本脳炎 6,700円/回
A型肝炎 8,600円/回
B型肝炎 6,100円/回
肺炎球菌(ニューモバックス) 7,900円/回
肺炎球菌(プレベナー) 10,700円/回
4価髄膜炎菌 26,600円/回
予防接種の流れ

予防接種は内科外来の診療時間に実施しています。受付時間内にご来院ください。

受付時間
平日 8:00~11:30、 12:00~16:30
土曜 8:00~11:30

ワクチンの種類によっては、事前に診察・血液検査が必要な場合もございます。
ワクチンの準備状況をお伝えし、ワクチン接種日を決定いたします。
接種当日、保険証と診察券を持参の上、ご来院ください。

ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ

異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルール

・「注射生ワクチン」の接種後27日以上の間隔をおかなければ、「注射生ワクチン」の接種を受けることはできません(変更なし)
・それ以外のワクチンの組み合わせでは、前のワクチン接種からの間隔にかかわらず、次のワクチンの接種を受けることができるようになりました
・接種から数日間は、発熱や接種部位の腫脹(はれ)などが出ることがあります。ルール上接種が可能な期間であっても、必ず、発熱や、接種部位の腫脹(はれ)がないこと、体調が良いことを確認し、かかりつけ医に相談の上、接種を受けてください

ワクチンの種類について
注射生ワクチン:麻しん風しん混合ワクチン・水痘ワクチン・BCGワクチン・おたふくかぜワクチンなど
経口生ワクチン:ロタウイルスワクチンなど
不活化ワクチン:ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・B型肝炎ワクチン・4種混合ワクチン・日本脳炎ワクチン・季節性インフルエンザワクチンなど

同じ種類のワクチンの接種を複数回受ける際の接種間隔のルール

各ワクチン説明

麻しんウイルスの空気感染によっておこる病気です。伝染力が強く、免疫がなければ一度は必ずかかる重い病気です。ウイルス感染後10日ぐらいで発熱、咳、鼻汁、目やにを主症状として発病します。口の中(ほっぺたの粘膜)に特殊な斑点(コプリック斑)が出現するのが特徴的です。発疹は3~4日で色素沈着を残して消えていきます。また、気管支炎、肺炎、中耳炎をよく合併します。中耳炎は7~9%、肺炎は1~6%、脳炎は1000人に4人の割合におこっています。亜急性硬化性全脳炎(特殊な進行性脳障害)が100万人に21人の頻度で発生しています。はしかにかかった人の1万人に1人の割合で死亡します。わが国では現在でも年間約50名の子がはしかで命を落としています。予防するためぜひ予防接種を受けましょう。 麻しんワクチン(弱毒性ワクチン) 生ワクチンを受けた場合、96~98%の人が抗体を獲得できます。麻しんワクチンによる免疫はこれまでのところ長期にわたって持続すると考えられていますが、ワクチン接種を受けたものの中で、その後に麻しんにかかるものが数%あると言われています。麻しんは1歳から2歳の間にかかる子が多くなっています。1歳になったら半年以内に受けるように努めましょう。なお、γ-グロブリンを注射された方は3ヶ月~6ヶ月は接種できませんのでご注意ください。 予防接種の副反応 このワクチンは弱毒性ワクチンですからウイルスが体の中で増えるため、接種してから5~14日後に5.3%に37.5℃以上、8.1%に38.5℃以上の発熱、5.9%に軽い麻しん(はしか)に似た発疹が認められることがあります。また、時に自然麻疹に近いような症状が出ることがあります。通常は1~2日で消失します。また、発熱に伴う熱性けいれん(300人に1人)が起こります。その他、脳炎・脳症(100~150万人に1人)、亜急性硬化性全脳炎(特殊な進行性脳障害)が100万人に21人(48000人に1人)に見られることがあります。 ワクチン添加物により接種直後(30分以内)に接種部位の発赤、腫脹(はれ)、じんましん、アナフィラーキシーショック(非常に強いアレルギー)などを起こすことがあります。

風しんウイルスの飛沫感染によって起こる病気です。潜伏期は2~3週間で症状は特有な発疹と発熱、頚部リンパ節腫脹が見られます。年長児では関節炎が見られることがあります。俗に「三日ばしか」と呼ばれているように症状は比較的軽く、予後は良好で、あまり重要視されていませんが、血小板減少性紫斑病(患者3000人に1人くらい)、脳炎(患者6000人に1人くらい)、まれに溶血性貧血等の合併症を起こすことがあり、軽視することはできません。年長児や大人になってからかかると一般に重症になりやすく、3日ではなおらないことが多いようです。一番恐ろしいのは妊婦が妊娠早期に初めてかかりますと、先天性風しん症候群と呼ばれる異常児(心奇形、白内障、聴力障害など)が生まれる可能性が高くなることです。 風しんワクチン(弱毒性ワクチン) ワクチンによって95%以上の人に免疫ができます。ワクチンの持続期間はまだはっきりしませんが20年間は持続するといわれています。 2~3歳になると、かかる人が急に増えますので、3歳までには受けるようにしましょう。保育園や幼稚園に行く人は、麻しんに続いて入園の前にすませましょう。お母さんが次の子供を妊娠中であっても、お子さんは受けられます。幼時は生後90ヶ月未満までが定期の対象者となっていますので、小学校1年生および2年生で定期内にある人はぜひ受けておきましょう。風しんにかかったことがある人は接種する必要はありません。成人の場合、妊婦さんには接種できません。また風しんワクチン接種後2ヶ月間は避妊が必要です。 予防接種の副反応 風しんワクチンも弱毒性ワクチンですから、麻しん(はしか)と同じようにウイルスが体内で増えますので、軽い風しん様症状が出ることがあります。軽い発熱、発しん、リンパ節腫脹などが出ますが、接種を受けた者100人中4人以下です。成人女性は一過性の関節炎が接種を受けた者100人中6人程度にみられます。 副反応がひどいときは医師に相談してください。

麻しん(はしか) 麻しんウイルスの空気感染によっておこる病気です。伝染力が強く、免疫がなければ一度は必ずかかる重い病気です。ウイルス感染後10日ぐらいで発熱、咳、鼻汁、目やにを主症状として発病します。口の中(ほっぺたの粘膜)に特殊な斑点(コプリック斑)が出現するのが特徴的です。発疹は3~4日で色素沈着を残して消えていきます。 また、気管支炎、肺炎、中耳炎をよく合併します。中耳炎は7~9%、肺炎は1~6%、脳炎は1000人に2人の割合におこっています。亜急性硬化性全脳炎(特殊な進行性脳障害)が100万人に21人の頻度で発生しています。はしかにかかった人の1万人に1人の割合で死亡します。 風しん 風しんウイルスの飛沫感染によって起こる病気です。潜伏期は2~3週間で症状は特有な発疹と発熱、頚部リンパ節腫脹が見られます。年長児では関節炎が見られることがあります。症状は比較的軽く、予後は良好で、あまり重要視されていませんが、血小板減少性紫斑病(患者3000人に1人くらい)、脳炎(患者6000人に1人くらい)、まれに溶血性貧血等の合併症を起こすことがあり、軽視することはできません。年長児や大人になってからかかると一般に重症になりやすいようです。妊婦が妊娠早期に初めてかかると、先天性風しん症候群と呼ばれる異常児(心奇形、白内障、聴力障害など)が生まれる可能性が高くなります。 麻しん・風しん混合ワクチン(弱毒生ワクチン)=MRワクチン 麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)は麻しんと風しん2種類のワクチンが含まれています。麻しん風しん混合ワクチンを受けた場合、96~98%の人が麻しんの抗体を獲得できます。しかしながら、その後に麻しんにかかるものが数%あると言われています。 麻しん風しん混合ワクチンを受けた場合95%以上の人に風しんの免疫ができます。ワクチンの持続期間はまだはっきりしませんが20年間は持続するといわれています。 お母さんが次の子供を妊娠中であっても、お子さんは受けられます。風しんにかかったことがある人は接種する必要はありません。成人の場合、妊婦さんには接種できません。また風しんワクチン接種後2ヶ月間は避妊が必要です。 予防接種の副反応 このワクチンは2種類の弱毒生ワクチンが含まれているため2種類のウイルスが体の中で増えます。麻しんワクチンによって、接種してから5~14日後に5.3%に37.5℃以上、8.1%に38.5℃以上の発熱、5.9%に軽い麻しん(はしか)に似た発疹が認められることがあります。また、時に自然麻しんに近いような症状が出ることがあります。通常は1~2日で消失します。また、発熱に伴う熱性けいれん(300人に1人)が起こります。その他、脳炎・脳症(100~150万人に1人)、亜急性硬化性全脳炎(特殊な進行性脳障害)が100万人に21人(48000人に1人)に見られことがあります。ワクチン添加物により接種直後(30分以内)に接種部位の発赤、腫脹(はれ)、じんましん、アナフィラーキシーショック(非常に強いアレルギー)などを起こすことがあります。 さらに、この中に含まれる風しんワクチンも弱毒性ワクチンであるため、ウイルスが体内で増え軽い風しん様症状が出ることがあります。軽い発熱、発疹、リンパ節腫脹などが出ますが、接種を受けた者100人中4人以下です。成人女性は一過性の関節炎が接種を受けた者100人中6人程度にみられます。 副反応がひどいときは医師に相談してください。

たふくかぜ(ムンプス) おたふくかぜは、ムンプスまたは流行性耳下腺炎とも言われ、耳下腺(耳の下)が腫れ、熱が出る病気です。腫れる場所は耳下腺だけでなく顎下腺(顎の下)にも見られ、一般的には両側、時に片一方だけ腫れるときがあります。合併症として重要なものは髄膜炎(3%)、難聴(2~20万人に一人)、膵炎、睾丸炎(思春期以降は15~30%)、卵巣炎、腎臓炎、血小板減少性紫斑病、糖尿病などがあります。特に睾丸炎、卵巣炎は不妊の原因として考えられています。まれに不顕性感染(感染して症状が全くないもの)が見られることもあります。 ムンプスワクチン(弱毒生ワクチン) おたふくかぜの流行は4~5才ごろ見られますので、できれば1~2才ごろ受けるようにしましょう。年長児、思春期にまだ罹っていない人はできるだけ接種したほうが望ましいです。おたふくかぜの患者さんと接触した場合はワクチンを接種しても効果がないと言われています。不顕性感染(抗体をもっている状態)があってもワクチンを受けてもかまいません。 1回の注射で免疫ができますが、3~4%は十分な免疫ができないと言われています。 予防接種の副反応 一般的には副反応はほとんど起こりません。 接種後2~3週間頃、まれに発熱、耳下腺腫脹などが見られる事がありますが、症状も軽く数日間で治ってしまいます。 まれに無菌性髄膜炎がおこるといわれています。正確な発生率はわかりませんが1000人に1人と予測されています。

水痘(みずぼうそう) 水痘は「みずぼうそう」とも言われ、感染性の強い病気で5歳までに約80%の子どもがかかると言われています。主な症状は発疹、発熱です。発疹は丘疹(もり上がり)、水疱(水ぶくれ)、膿疱(にごってくる)、痂皮(かさぶた)になります。合併症としては、まれに肺炎、脳炎、皮膚の細菌感染症が見られます。高齢者におこる帯状疱疹は水疱と同じ原因ウイルスでおこります。 水痘ワクチン 水痘(水ぼうそう)のウイルスの毒性を弱めたものです。現段階では健康小児すべてを対象として接種する事は勧められていませんが、一般的には満1才以上(1歳以下でも接種は出来ます)が対象とされています。 免疫効果 95%以上に免疫が出来るとされています。 予防接種の副反応 健康小児、成人ではほとんど見られません。 ワクチン接種後の水痘感染 20~30%程度と言われています。ただしワクチン接種者が水痘にかかっても症状が非常に軽い(発疹の数が少ない事と,水疱の出来方も少ない)事が確認されています。 水痘にかかったかどうか解らない時 水痘にかかったかどうかがわからない場合は血液の抗体を調べると知ることが出来ます。しかしもし抗体があったとしてもワクチンを受けた時の弊害はありません。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、過去に水ぼうそうにかかったひとの体の中にひそんでいた水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)によって起こります。水ぼうそうが治っても脊髄(せきずい)にウイルスが潜伏していて、体の抵抗力が下がったときに再びウイルスが活性化して帯状疱疹を起こします。 水ぼうそうにかかったことのあるひとなら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。とくに、抵抗力の低下した人や高齢者がかかりやすく、3人に1人が、一生のうちで一度は経験するといわれています。50歳以上の成人でかかりやすく、70代がもっともかかりやすい年代です。  体や顔に痛みのある赤い斑点と小さな水ぶくれができ、多くの場合は左右どちらかに限られて出るのが特徴です。 水痘ワクチン 水痘(水ぼうそう)のウイルスの毒性を弱めたものです。現段階では健康小児すべてを対象として接種する事は勧められていませんが、一般的には満1才以上(1歳以下でも接種は出来ます)が対象とされています。 50歳以上に対する帯状疱疹予防として、過去に水痘にかかったことがある人、帯状疱疹にかかったことがある人に1回の接種をお勧めします。 免疫効果 95%以上に免疫が出来るとされています。 予防接種の副反応 ワクチン接種による一般的な副反応以外に、水痘ワクチンに特異的な副反応としては接種後1-3週間後に発熱や、3-5%に全身性の水痘様発疹がみられることがあります。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、過去に水ぼうそうにかかったひとの体の中にひそんでいた水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)によって起こります。水ぼうそうが治っても脊髄(せきずい)にウイルスが潜伏していて、体の抵抗力が下がったときに再びウイルスが活性化して帯状疱疹を起こします。 水ぼうそうにかかったことのあるひとなら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。とくに、抵抗力の低下した人や高齢者がかかりやすく、3人に1人が、一生のうちで一度は経験するといわれています。50歳以上の成人でかかりやすく、70代がもっともかかりやすい年代です。  体や顔に痛みのある赤い斑点と小さな水ぶくれができ、多くの場合は左右どちらかに限られて出るのが特徴です。 免疫効果 2回の接種による帯状疱疹の発症予防効果は、50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%です。また帯状疱疹後神経痛の減少率は、50歳以上で100%、70歳以上で85.5%と、いずれも高い効果が認められています。今のところ、9年間は効果が維持できることが確認されています。 接種対象の方 水痘にかかったことのある50歳以上の全ての方に推奨します。 一般的には水痘にかかったことがあるか不明の場合、水痘に対する免疫(抗体価)の有無を確かめることなく、ワクチンを接種しても差し支えありません。免疫のある人にワクチン接種をしたとしても、それによって副反応の頻度や症状が重症化するようなことはありません。帯状疱疹予防の目的では水痘ワクチン(生ワクチン)も効果がありますが、生ワクチンは免疫抑制状態のひと(免疫機能に異常をきたす疾患を有する人(HIV感染症など)、および免疫力抑制をきたす治療を受けている人)は接種できません。そのため、生ワクチンを接種できない免疫抑制状態のひとは、帯状疱疹予防に不活化の帯状疱疹ワクチン(商品名:シングリックス)を接種します。帯状疱疹は約6.4%に再発が認められるため、帯状疱疹にかかったことがあるひとの再発予防としても有効です。 予防接種の副反応 臨床試験の結果では、局所性(注射部位)の副反応が80.8%に認められ、主なものは疼痛(78.0%)、発赤(38.1%)、腫脹(25.9%)でした。全身性の副反応は64.8%に認められ、主なものは筋肉痛(40.0%)、疲労(38.9%)、頭痛(32.6%)でした。他のワクチンに比較して局所性副反応の頻度は高いですが、いずれも3日前後で消失することが分かっています。

日本脳炎は日本脳炎ウイルスの感染でおこります。人から直接ではなくブタの中で増えたウイルスが蚊によって媒介されます。感染者のうち100人~5000人に1人が脳炎を発症します。7~10日の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状を示す急性脳炎になります。脳炎にかかると15%の人が死亡し、神経の後遺症を残す人が約50%あります。ブタのウイルス汚染状況からみてもウイルスは毎年夏になると確実に日本に広がっています。毎年10名未満が西日本を中心に発生しています。 日本脳炎ワクチン(不活化ワクチン) 不活化ワクチンですので3回接種する必要があります。Ⅰ期は3歳(標準的な年齢)で1週間以上の間隔で2回接種します。生後6ヶ月から接種できますので、蚊が多い地域にお住まいの方は早めの接種をおすすめします。おおむね1年後に追加1回を接種します。計3回で基礎免疫が完了します。基礎免疫が完了しますと98~99%の人が抗体を獲得します。抗体ができてそのままでは少しずつ減っていきますので4~5年に1回の追加接種を受ける必要があります。したがってⅡ期を小学4年生頃に1回接種します。大人になっても4~5年に1回の追加接種が望まれます。これを正しく実施すれば一生涯免疫が続きます。 予防接種の副反応 37.5℃以上の発熱は接種後2日以内に約1.6%に見られます。発疹は0.3%以下の頻度で見られます。注射局所の腫脹、発赤および頭痛が接種後2日以内に約11%見られます。 また日本脳炎ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎(ADEMと略す)をおこしたとの事例が極めてまれに報告され、ワクチンとの因果関係が指摘されているケースもあります。 平成21年6月から新しいワクチンが発売され、新ワクチンは「組織培養法」という方法で製造され、原材料にマウスの脳を使用した旧ワクチンより、副作用のリスクが低いと期待されています。 副反応がひどい時は医師に相談してください。

A型肝炎ウイルスの感染によって起こる病気です。日本では衛生環境が整い、最近大きな流行は起こっていません。感染経路は口からで、食べ物、飲み物から感染します。とくに便は感染源として重要です。発展途上国では生鮮食料品、水(飲料水、市販の飲み物、プール、河川)からの感染が見られています。 日本では最近流行がないため40歳以下の人はほとんど免疫をもっていませんが、50才以上は85%の人が免疫を持っています。海外、特に発展途上国では大きな流行が見られています。 潜伏期は2~6週で高熱、倦怠、食欲不振、嘔吐、黄疸、肝機能異常などが見られ、1~2ヶ月で治癒します。症状がほとんどない不顕性感染、逆に重症の劇症肝炎で死亡する場合なども見られます。 A型肝炎ワクチン 非常に新しいワクチンで、日本では1995年に発売されました。不活化ワクチン(ウイルスが生きていない)で、欧米のものに比べ力価(効果)が高く、ワクチンの添加物が少ないため、安全性が高いと言われています。 希望者は誰でも接種できますが、特に発展途上国への渡航者、医療従事者などへ勧められています。 一般的には2~4週間隔で2回、さらに初回接種後24週を経過した後に追加接種を行いますが、短期の海外出張の場合は2回接種でも十分な免疫ができます。子供に対しても有効性と安全性は確認され、特に問題は起こっていません。平成25年3月1日付で16歳未満の小児に対する使用の追加承認が得られました。 予防接種の副反応 発熱、局所反応(疼痛・発赤)、全身反応(倦怠・頭痛)など、成人では数%の報告があります。通常2~3日で消失します。小児については、上記副反応は1.8%と報告されています。日本での接種数はまだそんなに多くありませんが、大きな副反応の報告はありません。万が一の副反応発生時には国・市町村は関与しませんが、医薬品副作用・研究振興調査機構による救済制度を利用することができます。

B型肝炎ウイルスが体の中に入ってきて肝炎を起こす病気です。伝染力は弱く、ほとんど血液を介する感染です。急性B型肝炎の場合は、発熱、黄疸、全身倦怠などが見られますが、慢性B型肝炎の場合は症状が出ないことがあります。B型肝炎で一番問題になるのはキャリア、つまり血液中にウイルスを長年にわたって持っている人です。キャリアの人は将来、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんになる心配もあります。キャリアは、我が国では人口の約1~2%ですが、東南アジア、アフリカなどでは10%以上の国も多いのです。 B型肝炎ワクチン B型肝炎を予防するためのワクチンです。現在のワクチンは遺伝子組換えの技術を応用し、人の血液からは作られていません。その効果安全性とも優れたものです。3回接種する事によって十分な抗体(免疫)ができます。接種間隔は4週間隔で2回、さらに1回目の接種から20~24週を経過した後に3回目を接種します。ワクチンの持続期間は個人差が大きく、一般的には数年~10年は持続するといわれています。キャリアからの感染の危険性の高い人はワクチンによる予防が勧められています。キャリアの配偶者、家族、医療関係者、海外長期滞在者などです。 予防接種の副反応 ほとんど副作用の報告はありません。しかしながら1984年に実用化された非常に新しいワクチンであるため、今後副作用の可能性は0ではありません。接種後の注意深い観察は必要です。ときに、過敏症(局所の硬結、発熱、蕁麻疹など)、消化器症状(主に吐き気)、精神症状(頭痛、眠気)があらわれることがあるといわれていますが大きな副反応はありません。

肺炎球菌は細菌の中の1つで、自然界や健康な人にも存在します。 この肺炎球菌は体力が落ちているときや、お年よりになって免疫力が弱くなってくると病気を引き起こします。肺炎球菌が引き起こす主な病気としては、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。 肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス) 肺炎球菌ワクチンとは肺炎球菌によって引き起こされるいろいろな病気(感染症)を予防するためのワクチンです。したがって、肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌以外の原因による病気(感染症)に対しては残念ながら予防効果はありません。しかし、肺炎球菌は肺炎の原因の中では最も重要な位置をしめている細菌です。インフルエンザには多くの種類があるように、肺炎球菌にも多くの種類(80種以上)があります。このワクチンは、1回の接種でいろいろな型に効くようにつくられています。 抗体は5~10年程度持続するといわれています。 肺炎球菌ワクチンを受けたほうがいい人 ・手術で脾臓をとった人 ・高齢者(特に65才以上) ・心臓や呼吸器に慢性疾患、腎不全や肝機能障害、糖尿病のある人 予防接種の副反応 接種後に、注射部位の腫れや、痛みが10%程度見られることがありますが、日常生活に差支えるほどのものではありませんし、1~2日でなくなります。 発熱は1~2%程度見られます。多くのデータにより安全に接種できることが確認されています。まれにショック(500万回に1回)が見られることがあります。 再接種について 1回目の接種から、5年経過すると再接種が可能となります。

肺炎球菌は細菌の中の1つで、自然界や健康な人にも存在します。 この肺炎球菌は体力が落ちているときや、お年よりになって免疫力が弱くなってくると病気を引き起こします。肺炎球菌が引き起こす主な病気としては、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。 肺炎球菌ワクチン(プレベナー) 肺炎球菌ワクチン(プレベナー)は、肺炎球菌の97種類の血清型のうち13種類の肺炎球菌による感染症の重症化を予防します 小児に対する肺炎球菌結合型ワクチン接種後のワクチン血清型による侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の予防効果は、幼児期のワクチン初回接種後少なくとも2-3年は持続すると報告されています。また免疫原性データからは、他の結合型ワクチンと同様に長期にわたり予防効果が持続しうると考えられています。  高齢者に対する効果としては、オランダの高齢者を対象とした研究では、プレベナー接種により侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)が51.8%減少したと報告され、高い予防効果を認めています。また、「すべての肺炎球菌による市中肺炎」が30.6%、「ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎」が45.6%減少しています。 肺炎球菌ワクチンを受けたほうがいい人 ・乳幼児 ・基礎疾患がある6歳〜64歳のひと ・基礎疾患がある65歳以上のひと、高齢者施設に入所されているひと 予防接種の副反応 接種後に、注射部位の腫れや、痛みが10%程度見られることがありますが、日常生活に差支えるほどのものではありませんし、1~2日でなくなります。 発熱は1~2%程度見られます。多くのデータにより安全に接種できることが確認されています。まれにショック(500万回に1回)が見られることがあります。

侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD) 感染すると感染者の鼻やのどの粘膜に定着し、発症しないものの保菌者(不顕性感染者)となるか、急激に発症します。感染者の咳やくしゃみなどによって飛び散る飛沫に含まれる菌が口や鼻などの粘膜に直接触れること、感染者からの唾液の直接接触(キス、コップやペットボトルの回し飲みなど)で感染します。 潜伏期間は2~10日(平均4日)で、初期症状で発熱、頭痛、嘔吐など風邪のような症状が現れます。菌は粘膜から血中に入り、菌血症や敗血症、脳脊髄膜炎を引き起こします。乳幼児では、発熱、嘔吐などの症状が主で、頭部の前面にある大泉門に盛り上がりが認められることもあります。また、目の結膜や口の中・周りの粘膜、皮膚に点状の出血や、体幹や足に出血斑がみられることがあります。時として劇症型と言われる重篤な状態を引き起こし、頭痛、高熱、低血圧、痙攣、意識障害を呈し、皮膚や粘膜に出血斑を伴い、ショック等により1~2日で死に至る場合があります。他に上気道炎、肺炎、関節炎、中耳炎、咽頭蓋炎、心内膜炎、結膜炎、膣・子宮頸管炎などさまざまな症状が報告されています。 国内での発症は乳幼児と10代に多く、死亡者全体の半数を15~30代が占めています。 この感染症により髄膜炎や敗血症を起こした場合には、治療をしないと死亡率はほぼ100%に達すると言われていますが、早期に適切な治療を行うことで治ることもあります。しかし、適切な治療を受けた場合でも11~19%で難聴や神経障害、手足の壊死による切断等の後遺症が残る場合があります。 4価髄膜炎菌ワクチン 髄膜炎菌には13種類の型があり、特にIMDではA、B、C、Y、W-135の血清型が分離されています。このワクチンではA、C、Y、W-135によるIMDを予防します。ワクチンの成分にジフテリアトキソイドが含まれていますが、ジフテリアに対するワクチンにはなりません。11~12歳で1回目を、16~18歳で追加接種を推奨しています。 予防接種の副反応 最も多くみられる副反応は接種部位の痛みや筋肉痛、倦怠感、頭痛などです。海外で報告されている重い副反応としては、血管迷走神経反射として失神、ショック、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎、けいれん、顔面神経麻痺などがあります。

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