当院の強み

高気圧酸素治療装置を導入しました
当院では2023年1月に高気圧酸素治療装置を導入いたしました。
高気圧酸素治療装置の導入により、外科、整形外科、形成外科、耳鼻科、眼科など、さまざまな診療科での治療で活用することを目指します。



高気圧酸素治療装置とは?
大気圧より高い気圧環境(水深10~20m相当)の中で100%酸素を吸入することにより血液中の酸素量を増加させて、酸素不足の状態にある組織に対して改善を図る治療装置です。
『体に高い圧力をかけること』+『高濃度酸素を吸入すること』の2つの作用を利用します。

当院で対応可能な疾患例
形成外科

・難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
 糖尿病性潰瘍、壊疽
 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)
 骨髄炎(潰瘍由来)
 重症下肢虚血
 褥瘡
 皮膚移植

耳鼻科

・突発性難聴

整形外科

・インプラント感染(骨髄炎)

消化器

・腸閉塞(イレウス)

わずかな所見や疾患でも対応いたしますので、まずはご紹介いただけますと幸いでございます。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
※患者様をご紹介いただいても、下記疾患等があると高気圧酸素治療の適用外となる場合がございます。
・気胸や肺気腫等の肺病変がある場合
・敗血症等の全身性重症感染を起こしている場合
・絞扼性イレウス等、緊急手術が必要な場合
安全に治療を行うため、当院外来にて精査の上評価いたします。
高気圧酸素治療装置の効果
①圧力による物理的効果(腫脹・浮腫軽減)
圧力をかけることで浮腫や腫脹等の軽減、気泡等の縮小、酸素ガスの溶解効果があります。

②酸素毒性を逆用する効果(細菌増殖の予防)
酸素の毒性を利用し細菌の繁殖を抑制したり、酸素供給量増加により低酸素症の改善、細胞活性化(治癒促進)効果があります。

③溶解型酸素増加による組織酸素供給量の上昇
通常、酸素は赤血球中のヘモグロビンに結合(結合型酸素)して各組織に運ばれているが、圧力をかけ高濃度酸素吸入することで酸素が血液に溶け込み(溶解型酸素)、ヘモグロビン量に関係なく各組織に酸素を供給することができます。


CASE1 糖尿病性潰瘍・壊疽の患者様

  ▶期待できる効果
 ・血管新生、線維芽細胞増殖による潰瘍の上皮化
 ・酸素毒性による細菌増殖の防止
 ・白血球の殺菌作用促進
 ・肢切断の回避
 ※糖尿病性抹消神経症の症状改善や血糖低下作用の報告あり



CASE2 骨髄炎の患者様

  ▶期待できる効果
 ・虚血性軟部組織の創傷治癒促進
 ・骨形成能促進
 ・酸素毒性による細菌増殖の防止
 ・白血球の殺菌作用促進



CASE3 突発性難聴の患者様

  ▶期待できる効果
 ・内耳(蝸牛)の循環障害と酸素欠乏の改善
 ※2週間以内のステロイドや血管拡張等の併用で有意性あり



CASE4 網膜動脈閉塞症の患者様

  ▶期待できる効果
 ・脈絡膜血管からの酸素供給量増加により低酸素状態の改善
 ※少なくとも24時間以内に治療は開始すべきで8時間以内が最も効果的との報告があります。





患者様のご紹介について
高気圧酸素治療に関しては予約制ではございません。
診療情報提供書を患者様にお渡しいただき、対象疾患に当てはまる診療科の外来日にご案内をお願いいたします。
紹介にあたってご不明な点がございましたら、地域連携課宛にご連絡をお願いいたします。
※高気圧酸素治療の実施可否は担当医師の診察時の判断によりますので予めご了承ください

お問い合わせはこちら→048-663-2501




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