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平均寿命の延長に伴って、動脈硬化による心臓血管疾患が増加しています。内科的治療法や手術方法の進歩により、治療成績は近年格段に向上しています。重要なのは、早期に正確な診断をつけて最適な治療法を選択することです。
当院では心臓血管外科専門医が適切な治療時期と治療法の選択を判断致します。
心臓の中は4つの部屋に別れており、それぞれの部屋の出口で扉の役割をするのが弁です。この弁がしっかり閉まらなくなると逆流(閉鎖不全)を起こし、狭く(狭窄)なると血液の流れが悪くなります。症状は、息切れ、胸痛、咳の持続(特に夜間)、下肢のむくみ、不整脈(脈の乱れ)などです。手術では、自己弁を修復する方法(形成術)と人工弁に取り替える方法(弁置換術)とがあります。
*最近では、大動脈弁狭窄症に対して、人工心肺を用いないカテーテル治療(TAVI)も行われています(下図)。
冠動脈は心臓に酸素や栄養を送る血管です。冠動脈が動脈硬化などで狭くなり酸素不足が生じると狭心症、閉塞すると心筋への酸素供給が途絶して心筋梗塞となります。通常は内科での内服薬投与やカテーテル治療が有効ですが、重症の場合は外科手術(冠動脈バイパス術)が必要です。
動脈グラフトを用いた冠動脈3枝バイパス術 ―術後CT像―
大動脈瘤とは心臓から血液を送る大動脈の一部が異常に膨らんだ状態で、場所によって胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤とに分けられます。原因の大半は、動脈硬化と高血圧です。大動脈瘤は通常は無症状で、大部分はCT検査などで発見されます。大動脈瘤が5cmを超えると破裂の危険性があり、破裂した場合の危険度は50%以上になるため瘤が破裂する前の手術が必要です。最近では開胸、開腹を要さないカテーテル治療(ステントグラフト挿入術)も行われています(下図)。
主に動脈硬化によって四肢の動脈に徐々に狭窄や閉塞がおこり、血行障害となります。動脈硬化によるものは、閉塞性動脈硬化症(ASO)とよばれ、加齢、高血圧、糖尿病、高脂血症などが原因となります。下肢の血行障害の程度はFontaine(フォンテイン)分類で表わされ、軽度(Ⅰ度)の場合は薬の治療が有効ですが、中等度(Ⅱ度)以上の場合はカテーテル治療や
手術が必要になります。
狭窄や閉塞が起こっている動脈の場所や程度により治療法は異なります。カテーテル治療(PTA)では、血管内にバルーン(風船)のついた細いカテーテルを挿入して内側から拡張して血液の流れを改善させます。手術(血管バイパス術)では、血管の狭窄・閉塞部位の先にグラフト(人工血管または自分の静脈)を吻合して、新しい血液の流れ道を作ります。
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